脳腫瘍について
脳腫瘍は頭蓋骨の内側にできる腫瘍です。腫瘍とは体内にできる細胞の塊、増殖する組織です。脳腫瘍は原発性と転移性に分類されます。脳から発生したものは原発性脳腫瘍、他の部位から癌が脳に転移してきたものを転移性脳腫瘍と呼びます。
原発性脳腫瘍は良性と悪性に分かれます。良性のものは手術により予後は良好に推移するケースが多く、再発率も低いのが特徴です。悪性脳腫瘍はいわゆる脳の癌(がん)ですが、脳の癌という呼び方はしません。癌とは上皮細胞から発生した悪性の腫瘍です。簡単に言うと空気に触れる臓器を覆う皮膚に発生する事が定義なのです。ですから、空気に触れない組織である脳の場合は癌とは呼ばないのです。
症状
代表的な症状
①.慢性的な頭痛
脳圧亢進による頭痛です。脳腫瘍進行後は6~7割の高確率で発現する症状です。初期から症状がみられる場合もあります。頭痛は朝起きた時が一番痛く、日中から夜にかけて痛みが軽くなっていく傾向にあります。
②.吐き気、嘔吐
原因不明のもの、頭痛に伴うものがみられます。脳腫瘍による嘔吐は脳圧亢進によるもので、胃腸が悪いわけではありません。ですから、吐くとケロッとして普通に食事が出来ることも多いのが特徴です。
③.神経系異常
腫瘍の増大に伴い、神経が圧迫されるようになると発現しやすいです。視覚異常、手足のしびれ、記憶力低下等、様々な形で兆候が表れます。
よくある症状
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐
- 視覚異常
- 痙攣(てんかん)
- 意識障害
- 血圧上昇、不整脈(クッシング現象)
- 眼底のむくみ、腫れ、充血(うっ血乳頭)
局所症状
- 片麻痺
- 記憶力低下
- 感覚障害
- 視力、視野障害
- 顔面神経麻痺
- 自分の名前年齢がわからなくなる(見当識障害)
- 言葉が思い出せなくなる(運動性失語)
- 覚えられなくなる、物や顔が認識できなくなる(失行、失認)
- 視界の半分が見えなくなる(同名性半盲)
- 尿量増加、性機能低下(内分泌障害)
- 発音が上手くできない(構音障害)
- 食べ物飲み物を上手く飲み込めなくなる(嚥下障害)
- 物が二重に見える(複視)
- 手足が思うように動かない(協調運動障害)
- 眼球けいれん(眼振)
原因/発生確率
原因は遺伝子変異によるものと言われています。しかし、現在でもハッキリとした理由は解明されていません。他の臓器に癌がある方や身内に脳梗塞が起こったことのある方がいる場合は、リスクが高まると言われています。その他には暴飲暴食や喫煙といった要素も挙げられますが、解明されきっていない以上、ここでは詳細に解説することは控えます。
脳腫瘍の発生確率は年間で1万人あたり1~2人です。確率にすると0.0001%~0.0002%です。こう聞くと随分発生確率が低いと感じられると思います。その割に知名度が高いのは悪性脳腫瘍の存在があるからだと考えられます。怖い病気という印象を持たれがちですが、実際には良性脳腫瘍の方も多数おられます。
分類/生存率
全脳腫瘍のうち半分は良性脳腫瘍に分類され、残りの3割が悪性脳腫瘍、2割が転移性脳腫瘍となります。つまり癌がない方の場合、もし脳腫瘍だった場合でもその6割以上は良性です。良性のものは手術で腫瘍が取り切れれば治癒が期待できます。
悪性脳腫瘍の生存率は部位とグレードにより大きく変わります。5年生存率は15%~95%と相当な開きがあります。最も多いのは神経膠腫(グリオーマ)です。増殖が速いものもありますが、早期に発見する事が何よりも重要です。
検査
脳腫瘍の検査はMRIが推奨されます。CTでの検査も可能ですが、小さい脳腫瘍の発見には適しません。またMRIは腫瘍の検出のみならず、拡がりを判別しやすい事も優位性の一つです。脳腫瘍の診断は概ねMRIの画像だけで可能ですが、確定診断には病理検査を用います。病理検査とは生検、または手術による病理診断です。腫瘍の組織の一部を採取して、その細胞を顕微鏡で観察して判断します。
治療
基本は手術での治療を行います。補助療法として放射線治療や化学療法を行います。腫瘍を全て摘出できないケース、小さな病変が脳内に多発しているケース、病理検査で悪性と認められたケースでは、放射線治療が追加されます。近年は重粒子線治療の研究が進んでおり、放射線治療での効果が低い腫瘍への治療効果が期待されています。無症候性(症状がない)ものに関しては必ずしも手術ではなく、経過観察とする場合もあります。手術は一般的なものは3~5時間程度。術後の入院期間は患者様の回復具合によりけりです。最短で一週間前後、長い場合は6~8週間ほどの期間を必要とするケースもあります。
まとめ
- 脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にできる腫瘍のこと
- 良性と悪性に分類される
- 代表的な症状は頭痛、吐き気、嘔吐、神経系異常
- 良性の場合は治癒が期待できる
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記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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