漫画でわかる閃輝暗点
閃輝暗点(閃輝性暗点)とは脳の血流障害で起こる視覚異常です。まずはこちらの漫画をご覧ください。
著:ふるえるとり様 https://twitter.com/torikaworks
ご好意で掲載許可をいただきました。ありがとうございます。
閃輝暗点とは、症状は
このページの内容は動画でもご覧頂けます。
2024年11月:再生回数が3万回を超えました。ご視聴ありがとうございます。
閃輝暗点とは、視界に光の輪のようなギラギラが出たり、尖った波模様のようなギザギザが出たりする病気です。物が歪んで見えたり、文字が読めなくなったりもします。一時的に視野障害が発生し、突然視界がおかしくなります。
視界の一部が…
- ギラギラする(光の輪のような)
- ギザギザする(尖った波模様)
- キラキラする(眩しい、光る)
- 見えなくなる(真っ暗、真っ白)
- チカチカする
- ゆがんで見える
- ゆらゆら動く
ギラギラ、ギザギザする(イメージ図)
歪んで見える(イメージ図)
閃輝暗点の症状は波模様のように動くことが特徴です。症状が出ている部分は文字が読めないほど視界が悪くなるため、初めて経験する方は非常に不安になると思います。
また、時間の経過と共に症状の範囲が広くなったり、移動したりします。多くの場合は60分以内に治まります。早い方だと10分程度で消失します。
閃輝暗点か確認する方法
左目を覆って、右目の視覚異常を確認してください。
step.2
次に右目を覆って、左目の視覚異常を確認してください。
step.3
左右の異常が同じ形状、同じ動きをしている場合→閃輝暗点の可能性が高いです。
閃輝暗点後はどうなる
通常、閃輝暗点は偏頭痛(片頭痛)とセットになっており、以下の流れを辿ります。
- 脳血管に異常が出る
↓ - それが解消される
↓
- 閃輝暗点が発生する
↓
- 閃輝暗点が消える
↓
- 頭痛を引き起こす
基本的には、症状が消失すれば頭痛以外には影響はありません。ですが、稀に脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの重大脳疾患が原因の場合があります。
特に閃輝暗点後に頭痛が発生しない場合は要注意です。
実際に当院でも脳疾患が見つかっています。閃輝暗点の患者様、約220人のうち4人に脳疾患が見つかりました。内訳は脳梗塞3人、脳出血1人です。詳細はこちら。閃輝暗点から発見に至った場合は、殆どが早期発見なので後遺症なく社会復帰できる可能性が高いです。
受診すべき状況は
受診すべき状況
- 閃輝暗点後に頭痛がない
- 初めて閃輝暗点が起こった
- 頻回に繰り返すようになった
- いつもと違う視野障害が起きた
- 症状が一向に治まらない
推奨される診療科は脳神経外科、脳神経内科、眼科です。但し眼科の場合は「脳神経外科で検査を」となるパターンもあります。脳疾患起因ではないと確認するには、MRIやCTでの検査が必要だからです。
これらの検査機器は脳神経系クリニックにありますが、全てのクリニックにあるわけではありません。そのため検査機器の有無を確認してから受診されることをお勧めします。尚、推奨はMRIです。脳梗塞や脳腫瘍の発見はCTよりもMRIの方が優れているからです。
閃輝暗点の原因
脳血管の収縮や拡張により後頭葉の血流が悪化し、それが治ることで起こります。
また、低血糖や寝不足でも起こりやすいと言われています。原因は解明されていませんが、ストレス、睡眠不足、喫煙、コーヒーやアルコールの摂取、チョコレートやナッツ類の食べ過ぎで起こる方がいます。
人間はストレスを感じるとカテコールアミンと呼ばれる物質が増加します。この影響で活性化した血小板からセロトニンが分泌されます。セロトニンにより血管が収縮すると大脳皮質が機能低下し症状が現れます。その後、血流低下・神経細胞の変化が、神経に作用する物質を放出し、血管の炎症・拡張が起こり頭部や三叉神経を刺激して頭痛が現れます。
頭痛を伴わない閃輝暗点は、脳梗塞や脳腫瘍といった重篤な疾患の可能性があります。頻繁に閃輝暗点が起こる、症状で生活に支障が出ている、閃輝暗点の後に頭痛が無い場合は、医療機関にご相談ください。
閃輝暗点と頭痛
頭痛を伴う閃輝暗点
閃輝暗点が偏頭痛の前兆だと確定している場合は受診の必要はありません。未確定の場合は脳神経外科・脳神経内科を受診しましょう。閃輝暗点は原因が脳の病気ではないかを調べる必要があります。人によっては頭痛の他に、手足のしびれ、吐き気、目の奥の痛み、顔面の痛みなどが起こる場合があります。
頭痛を伴わない閃輝暗点
頭痛を伴わない閃輝暗点は脳梗塞や脳腫瘍が原因の場合があります。閃輝暗点後に頭痛がない場合は、MRIやCTで検査を行う事が大切です。これは閃輝暗点が重大脳疾患の兆候である場合があるためです。
早期発見はその後の人生に大きな影響を与えます。万が一脳疾患が見つかった場合に後遺症なしで社会復帰できる確率が全然違います。そのため、最低でも一度は検査をして脳疾患起因でない事を確認する事をお勧めします。
お役立ちコラム
閃輝暗点の記事、他にもあります。宜しければご覧ください。
閃輝暗点の誤解
閃輝暗点は偏頭痛の前兆症状として認識されています。しかし、実際には偏頭痛ではない方でも閃輝暗点になります。
- 偏頭痛の前兆として起こる
- 偏頭痛ではない方にも起こる
- 脳疾患が原因の場合もある
問題は一部のお医者様が、閃輝暗点=偏頭痛と考えていることです。ですが、偏頭痛薬を処方しても効かない方が沢山いるはずです。何故ならその患者様は偏頭痛ではないからです。
当院では2022年に閃輝暗点疑いの方を90名ほど診ました。その中には偏頭痛の前兆とは考えられない年齢の方が何人もいました。偏頭痛は高齢になると症状が出なくなる(改善する)傾向にあります。70歳を超えると女性ではほんの少数、男性に至ってはほぼ皆無という分布です。
しかし、現実にはご高齢の方も閃輝暗点の症状を訴えて来院されます。閃輝暗点=偏頭痛では説明が付かないのです。当院は閃輝暗点の方を沢山見てきたからこそ自信を持って言えます。閃輝暗点には偏頭痛ではない方が多数存在します。
症状がある方は脳神経外科へ
閃輝暗点の症状がある方は脳神経外科・脳神経内科の病院へご相談ください。尚、当院でも検査可能です。当院は直近2年間で200名以上の閃輝暗点の患者様を診ています。このような脳神経外科は全国的にも珍しいと思います。
最近の実例は、このようなケースがありました。
閃輝暗点で脳梗塞が見つかった患者様/診療症例12
閃輝暗点は不安に思う方が多く、脳の病気ではないとわかると大変安堵されます。閃輝暗点は治るものではないからこそ、危険な病気ではない事を確認してあげて、せめて安心感を持って欲しいと思っています。
検査結果の説明はモニターを用いて、実際の撮影画像をお見せしながら一緒に確認してもらいます。「問題ないですね。」の一言で終わらせないのは丁寧に説明をし、よく理解してもらうことが患者様の「ほっとした」に繋がると考えているからです。
閃輝暗点 Q&A
閃輝性暗点の原因は?
閃輝暗点は、脳血管の血流が一時的に悪化し治ることで起こります。これが視野角と呼ばれる部分に起こった場合、視覚的な異常が発生します。また脳の片頭痛の前触れとして現れる代表的な症状です。ストレスをはじめ、睡眠不足、飲酒、喫煙、チョコレートやナッツ類などが要因となって発症リスクが高まります。
閃輝性暗点の治し方は?
現状の医療では閃輝暗点そのものに対する薬や治療法は存在しません。発症の引き金となる過度なストレスや睡眠不足、飲酒、喫煙などを控えるようにしましょう。尚、原因となる疾患などが無い場合は、特に治療を行う必要はありません。
閃輝暗点は脳梗塞の前兆ですか?
閃輝暗点の原因が脳梗塞である可能性はあります。特に閃輝暗点後に頭痛が起こらない場合は、脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作といった脳疾患が原因である可能性が高まると言われています。問診のみでは判別はできません。MRI検査による脳内の精査が必要となります。
閃輝暗点のセルフチェック方法は?
step.1 左目を覆って、右目の視覚異常を確認してください。
step.2 次に右目を覆って、左目の視覚異常を確認してください。
step.3 左右の異常が同じ形状、同じ動きをしている場合→閃輝暗点の可能性が高いです。
閃輝暗点 何回も起こる?
頻発する方は一月に何度も起こる場合があります。短期間に繰り返す場合はMRI検査を行い、脳疾患ではない事を確認しておく事をお勧めします。
閃輝暗点の予兆(前兆)は?
閃輝暗点自体が偏頭痛の予兆症状です。但し、必ずしも閃輝暗点後に偏頭痛が起こるとは限りません。当院には閃輝暗点後に頭痛症状がなかった方が多数ご来院されています。
閃輝暗点はどのぐらいで治る?
閃輝暗点は20~30分、遅くても1時間以内には症状が治まり、その後に頭痛が起こります。頭痛以外に、吐き気やめまいといった症状が現れる場合もあります。
目がギザギザチカチカするのはなぜですか?
閃輝暗点は脳の血流が悪化し解消することで起こります。これが視覚野と呼ばれるに見え方に関係する部分に起こると視覚異常が発生します。この視覚異常がギザギザやチカチカといった症状を引き起こします。
即日MRI検査、結果説明が可能です
閃輝暗点の診療実績
当院には「閃輝暗点のような症状で…」という方がよく来られ、閃輝暗点の患者様を日常的に診ています。直近2年間で200名以上です。恐らく、このような脳神経外科はかなり珍しいと思います。
最近の実例ですと、このようなケースがありました。
閃輝暗点で脳梗塞が見つかった患者様/診療症例12
「思い立ったらすぐ検査」が可能です
当院ではMRI希望の方は、初診でもご予約を承っております。そのため、当日のご予約、当日のご来院が可能です。
もし当日枠が埋まっていても、殆どの場合翌日には検査が可能です。
ご来院の際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
電話番号:045-482-3800
1回のご来院で全てが終わります
1回のご来院で診察、MRI撮影、結果説明の全てを行います。大きな病院でのMRI検査は診察、検査、説明と3回通う事も少なくありませんが、当院では何度も通う必要はありません。
◆閃輝暗点で受診される場合◆
継続的な受診は必要ありません。基本的には初回のご来院のみで終了となります。
但し、以下のケースは複数回ご来院いただく場合がございます。
・脳疾患が見つかった場合
・脳に気になる所見があった場合
・採血を行い検査結果のお伝えが後日になる場合
・薬の処方等で症状の変化を確認したい場合
閃輝暗点のデータ
閃輝暗点の性別と年齢別データを公開しました。詳細は画像をクリックしてください。
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日
初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。
電話番号:045-482-3800