頭痛薬が効かない原因
1.服用タイミング
痛み止めの服用タイミングが遅い場合、早めに飲む事で解決するケースがあります。痛みを我慢するとプロスタグランジンという痛みを強める物質が発生します。痛み止めはこの発生を抑制します。つまり、後から痛み止めを使うと効きにくいのです。痛み止めは痛みが出始めた時に使いましょう。
2.痛み止めの多用
痛み止めを一月に10回以上使うと薬物乱用頭痛のリスクが上がります。頻回に痛み止めを使うと、神経が過敏になりかえって頭痛が増えます。これは閾値が下がる事により起こります。痛いと感じる基準が下がり、頭痛を感じやすくなるのです。薬物乱用頭痛は薬の使用頻度をコントロールして治します。
3.薬が合わない
薬の効き目には個人差があります。例えばロキソニンとイブ。この2つはNSAIDsと呼ばれる同じ分類の薬剤です。ですから、基本的には同じ効能です。しかし、どちらかの方が効くと仰る方がいます。これが個人差です。頭痛薬は効果の強さや効き方、作用時間等も様々です。自分にあった薬を探していきましょう。
4.頭痛の慢性化
頭痛が長期化していると起こります。薬に対する耐性が出来たり、頭痛の性質が変わってしまう事があります。偏頭痛の方に緊張型頭痛が混ざるようになるなど、診断自体も難しくなります。頭痛は慢性化すると治りにくいため、慢性化が疑われる場合には少しでも早く適切な治療を受けましょう。
受診の必要性を確認したい方
こちらをご覧ください。
頭痛が起こる原因
気圧の変化、ホルモンの乱れ、疲労、ストレス
このような理由で起こりやすいのが偏頭痛です。
症状:ズキズキとした痛み、頭の片側もしくは両側が痛む、音や光に過敏になる、吐き気
偏頭痛は女性が発症しやすい頭痛です。男性の約4倍の患者様がおられます。痛みはやや強めで、偏頭痛が起こると寝込んでしまう方もおられます。
眼精疲労、首や肩の疲労、ストレス
このような理由で起こりやすいのが緊張型頭痛です。
症状:頭全体が締めつけられる、重い痛み
長時間のパソコン作業や運転手など、同じ姿勢で仕事をされる方に起こりやすい頭痛です。強い痛みがあることは稀ですが、慢性的に続くと著しく生活の質を下げます。頭痛の中でも最も患者数が多く約2000万人と言われています。
痛み止めの多用
このような理由で起こるのが薬物乱用頭痛です。
症状:頭痛が頻回になる、頭痛を感じやすくなる
痛み止めを月に10日以上服用している場合、薬物乱用頭痛の可能性があります。特に市販薬で薬物乱用頭痛を起こすケースが増えています。薬物乱用頭痛では、薬の効果の低下、持続時間の短縮を経て、薬が頭痛を誘発するようになってしまいます。
原因未解明
群発頭痛。起こる理由は解明されていませんが、稀に当てはまる方がいるのでご紹介します。
症状:片側の目の奥の強い痛み、目玉をえぐられるような痛み
若い男性に多い頭痛です。痛み止めが効かないほど強い痛みです。連日同じ時間に起こり、15分から3時間程度で症状が治まります。そのため、痛み止めの効果であると誤解し受診が遅れることがあります。
頭痛薬の種類
非ピリン系鎮痛剤(NSAIDs)
イブに含まれるイブプロフェンや、ロキソニンに含まれるロキソプロフェンです。痛みの原因となるプロスタグランジンの発生を抑える効果があります。痛みを感じたらすぐに服用することが推奨されます。胃が荒れることを防ぐために、胃を保護する成分を配合しているものもあります。
ピリン系鎮痛剤
非ピリン系鎮痛剤よりも鎮痛効果が期待できます。市販薬に用いられているのはイソプロピルアンチピリンです。メリットは高い鎮痛作用を期待できることです。デメリットはアレルギーを起こす可能性が高いことです。そのため、アレルギー体質の方は注意しましょう。尚、市販薬では多くがカフェインやアセトアミノフェンを配合しています。
漢方薬
漢方薬には頭痛に効果が期待できるものもあります。風邪の初期に飲むイメージがある葛根湯は、筋肉の緊張を和らげる効果があります。そのため、緊張型頭痛や肩こりに用いられます。偏頭痛には血液循環の改善を期待できる呉茱萸湯が用いられます。高血圧傾向でめまいを伴う頭痛には釣藤散が用いられます。
市販薬の選び方
風邪で熱がある頭痛
痛み止めには熱を下げる効果もあります。いわゆる解熱作用です。頭痛薬の中でもロキソニンやイブは、CMでも宣伝されているため身近に感じられると思います。頭痛以外にも歯痛や筋肉痛、生理痛にも効果が期待できます。
胃が荒れないか心配
一般的な頭痛薬や解熱鎮痛剤等には胃の粘膜を荒らす副作用があります。アセトアミノフェンの特徴は胃腸にかかる負担が少ないことです。タイレノールはアセトアミノフェンが含まれていて空腹時にも使用できます。またロキソニンSクイック等、胃を守る成分を配合した鎮痛剤もあります。
強い痛みで辛い場合
強い痛みで辛い場合は、速効性があって鎮痛効果があるピリン系薬剤を含んでいるものを選びましょう。市販薬ではイソプロピルアンチピリンです。この成分が含まれているセデス・ハイは、カフェインやアセトアミノフェン等の頭痛を抑える薬を複数配合されています。ただし、ピリン系薬剤はアレルギーを引き起こしやすい薬なので注意してください。
病院へ行くべき症状
頭痛は脳の病気が原因の事もあります。該当する場合は病院を受診しましょう。
受診すべき頭痛
- 痛み止め(頭痛薬)が効かない頭痛
- 原因がわからない頭痛
- 繰り返す頭痛
- いつもと違う頭痛
- 生活に支障のある頭痛
- 普段頭痛にならない方の頭痛
- 頭痛以外にも症状がある→めまい、ふらつき、しびれ等
「痛み止めが効かない」。これは良くない状況です。脳に異常があるから痛み止めが効かない可能性があるためです。実際に痛み止めが効かない事で病院へ行き、異常が見つかるケースがあります。前述の症状に該当する場合は速やかに医療機関を受診してください。
より良い検査を受けるために
頭痛診療の基本は最初に危険な頭痛(命にかかわる頭痛)でないかを確認する事です。つまり、検査機器のある脳神経系クリニックへ行く事がベストです。脳を調べる事ができる機器にはMRIとCTがあります。
Q.「脳の検査は、MRIとCTどちらが良いですか?」
A.推奨はMRIです。理由はCTよりも情報量が多いこと、また血管の撮影が容易であること、多くの脳の病気を発見できるからです。
内科や検査機器のない脳神経系クリニックへ行くという選択肢もあります。しかし、どれだけ名医であっても、検査なしでは危険な頭痛の確定診断はできません。なぜなら、診察では脳の中を見ることはできないからです。
まとめ
- 受診は検査機器のある脳神経外科・脳神経内科をお勧めします。
- 検査機器はMRIをお勧めします。
- 頭痛の原因がハッキリしない場合は、一度は調べてもらってください。
当院でも検査が可能です
当院は横浜市青葉区にある脳神経外科・脳神経内科クリニックです。田園都市線藤が丘駅から徒歩8分、検査機器はMRIです。
よくあるご質問
Q.最短でいつ検査ができますか?
当日枠に空きがあれば、その日に検査が可能です。
Q.どれぐらい時間が掛かりますか?
患者様の滞在時間は平均で2時間、混雑時で3時間程度です。
Q.いくら掛かりますか?
3割負担で初診の方の場合、MRI検査込みで約8,500円です。
追加検査がある場合は概ね10,000円~15,000円となります。
Q.一回きりの受診で良いですか?
初診で診察、検査、結果説明を行います。よって一回きりのご来院で大丈夫です。
※問題が見つかった場合や治療を必要とする場合等、例外はあります。
Q.予約制ですか?
予約制です。事前にお電話でご予約ください。
ご予約はお電話まで
電話番号:045-482-3800
お役立ちコラム
頭痛が起きた時の対処法
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日
初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。
電話番号:045-482-3800