脳神経外科へ行く全ての方にお伝えしたい事/診療症例16

当院では常々、脳神経外科、脳神経内科は選んで行くべきとお伝えしてます。これは命に関わる病気の判別を行うにも関わらず、クリニックによる診療レベルの差が大きいからです。しかし、その重要性が伝わらない事もあります。ですので、今回は実例をご紹介します。

患者様の経緯
  • 60代前半の男性
  • 記憶力低下、記憶障害
  • 他の脳神経外科を受診された
  • 認知症との診断を受け、認知症の薬を処方された
  • 通い続けたが、毎回先生が変わる・きちんと説明してくれない・話を聞いてくれない
  • 認知症の薬は飲んでも飲まなくても良いと言われる
  • 不信感を抱いたため、当院を受診された

結論からお伝えしますと、認知症ではなく下垂体腺腫でした。

下垂体腺腫とは?
カスイタイセンシュと読みます。顔の中央あたりに存在する下垂体に腫瘍ができる病気です。分類は脳腫瘍になりますが、殆どが良性です。

認知症の診断は消去法です。頭の病気がないかを確認してから、認知症の可能性を探ります。実は認知症と同じ症状が出る脳の病気が存在します。慢性硬膜下血腫など。

この方の場合、MRI撮影で下垂体に異常所見が見られましたが、以前の脳神経外科クリニックでは指摘は無かったとのことです。念のため認知症テストも行いましたが、大きな記憶力低下は見られませんでした。

確かに60代でも認知症を発症することはあります。しかし、きちんとMRI画像を見て認知症テストを行えば、このような誤診は避けられます。そもそも、どのような理由で認知症と判断し処方を始めたのでしょうか。それ相応の根拠が見つかりませんでした。恐らく下垂体腫瘍を確認する撮影を省いてしまい、発見出来なかったのだと思います。

こういった事例は稀なケースではありません。正直「またか…。」という気持ちになります。

前回書いた診療症例も他院様での見逃しでした。
脳梗塞になりかけた恐ろしい事例/診療症例15


今回のように実際に困っている患者様を沢山診ています。だからこそ「病院は選んで行ってください」と言うのです。行く先が当院でなくても構いません。当院は真面目にやっていますが、それはうちだけの話ではありません。勤勉で、真面目に患者様と向き合う医師は他にもいます。それを完璧に見抜く事は難しいですが、選んで行くことで良い医師に巡り合える確率を高めることは出来ます。

高度な知識はいりません。googleの口コミを読むだけでもいいです。ある程度の年数、真面目にやっているクリニックなら口コミの内容でそれなりに判断が付きます。

自院のものを使いますが、こちらを見てください。内容を読んでいただければ、真面目にやっているのか・適当にやっているのかは、どなたにでも判断が付くと思います。

日本は頭の病気を発見しやすい国です。ここ20年でMRI、CTを設置するクリニックが飛躍的に増えました。わざわざ、大きな病院へ行かなくても頭の中を診る事ができるクリニックが沢山あるのです。昔は敷居が高かった頭の検査ですが、今は簡単に受けられるようになりました。何か頭に異変を感じた時はこの恩恵を受けてください。もちろん、行くクリニックは選んだ上で。


記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。

 
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電話番号:045-482-3800


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