閃輝暗点で脳梗塞が見つかった患者様/診療症例12

こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。

本日は閃輝暗点の症例です。

患者様の症状
  • 閃輝暗点が発生している
  • 閃輝暗点後に頭痛はない
  • さらに半盲(視野の半分が見えない)が発生した

問診の時点でこれは脳梗塞かもしれないと感じました。

脳梗塞には色々な自覚症状あります。閃輝暗点も自覚症状の一つです。
代表的なものは身体の片側の異変で、具体的には痺れ感、脱力感、力が入らないなどが挙げられます。
そして、視野障害が発生することもあるのです。


MRIを実施したところ、頭の後ろ側である後頭葉に脳梗塞が見つかりました。





今回のケースは2つの可能性が考えられます。

  • 脳梗塞により閃輝暗点が発生した
  • 閃輝暗点は脳梗塞とは無関係に起こった

確率的には五分五分といったところでしょう。
どちらにせよ、脳梗塞の発見に至った事が重要です。



脳梗塞は新しめのものであり治療を必要とするものです。
そこで、再発防止のお薬を処方して再診をお願いしました。

脳梗塞の場合は機械的に入院を指示する病院もありますが、
当院では重症度とご本人の環境を考慮して決断します。

今回のケースは脳梗塞による症状が重くなく、自力での歩行も可能、
かつ予後悪化の可能性も低いため、通院での治療としました。
これには出来るだけ脳梗塞の原因も見つけてあげたいという思いもあります。


脳梗塞はそれなりの確率で再発する病気なので、
原因が特定できればそれが再発防止に繋がるからです。

ご本人が貧血を呈していた事を仰っており、数値上も貧血である事が確認できました。
貧血を患う疾患を抱えており、それが誘引したと考えられますが
安直には結論付けず、脳梗塞が落ち着くまで診ていこうと思います。


追記 2023年11月7日

この患者様は入院せずに当院でのフォローアップを行いました。

発症直後

現在


脳梗塞は消失しており、新たな脳梗塞の発生もありません。
後遺症もないとのことで完治が期待できそうです。



閃輝暗点の症状がある方へ

当院では閃輝暗点の患者様向けに検査を行っています。
閃輝暗点に不安がある方はご検討ください。

閃輝暗点はこちらで詳しく解説しています。是非ご覧ください。


お役立ちコラム

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

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