本日は吐き気を伴う頭痛についてお話します。
まずは一般的な頭痛から当てはめてみます。
①.緊張型頭痛
最も一般的な頭痛です。全頭痛のうち約70~90%を占めます。
症状:圧迫感や締め付けられるようはな痛み。じんわりとした痛み
基本的には吐き気は出ませんが、強い頭痛の場合は軽い吐き気が起こる事があります。
②.片頭痛(偏頭痛)
全頭痛のうち約10%を占めます。若い女性に多いことが特徴です。
症状:ズキンズキンとした痛み、頭の片側の痛み、動くと悪化する、吐き気を伴うことがある
吐き気を伴う事があります。重度の片頭痛では吐いてしまう事もあります。
③.群発頭痛
全頭痛のうち1%以下の稀な頭痛です。
症状:片側の眼の奥の強い痛み、30分~1時間程度の短時間、連日続く
吐き気を伴う事がありますが、主要症状ではありません。
④.薬物乱用頭痛
全頭痛のうち約1%~2%を占めます。
症状:頭痛が起こりやすくなる、頭痛薬が効きにくくなる
離脱症状として吐き気を起こす事があります。
次に代表的な脳疾患を当てはめてみます。
①.くも膜下出血
脳の血管が破裂し、本来あるべき場所ではないところに血が溜まる病気です。
症状:突然の強烈な頭痛、血圧の乱高下、視力低下、吐き気・嘔吐、意識低下
強烈な吐き気を催したり、何度も吐いたりします。
②.脳梗塞
脳の血管が詰まって、血液が運ばれなくなり脳細胞が死滅してしまう病気です。
症状:片側の麻痺、しびれ、感覚が鈍い、言語障害
吐き気が起こることもありますが、吐くまではいきません。
③.脳出血
脳の血管が破れて出血する病気です。
症状:頭痛、片側の麻痺、しびれ、嘔吐、言語障害
吐き気が起こるケースはよくあります。実際に吐きます。
まとめ
一般的な頭痛で吐き気がよく起こるのは偏頭痛です。
それ以外の場合は、他に典型的な症状があるので鑑別可能です。
代表的な脳疾患、脳卒中においては全てにおいて
吐き気の症状が起こる可能性があります。
過去の経験から言えることは、
実際に吐いてしまう場合は脳疾患の確率が高まります。
重度の偏頭痛で吐いてしまうという方以外で、嘔吐がある場合は緊急を要します。
速やかに検査機器のある病院で脳内を検査してもらってください。
また吐いていない場合でも、頭痛+αの症状がある場合(吐き気や麻痺、めまいなど)
何からの病気である可能性が大いに考えられます。
放置は厳禁です。
危険な頭痛(脳疾患による頭痛)ではないかの確認は早急に行ってください。
推奨はMRIのある脳神経外科、脳神経内科です。
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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