今日は閃輝暗点の原因を掘り下げます。
当院では現在多くの閃輝暗点の患者様を診療しております。
実際に患者様の声を伺うと、医療側の人と患者様の間に大きな隔たりがあると感じます。
- 偏頭痛の人がなる
- 脳疾患が原因の可能性がある
- 診ることが稀だから患者数は少ない(特に眼科以外はそう感じる)
閃輝暗点は…
- 非常に怖い思いをすること
- 強い不安を覚える
という事実の認識が甘いです。
そして、稀な症状どころか潜在的な患者数が多く存在する事を知りません。
故に「そんな病気もあったねぇ。」ぐらいの軽い認識に捉えられがちです。
残念ながら閃輝暗点自体が研究されたり、それを解決しようという動きはありません。
閃輝暗点の原因
閃輝暗点は、偏頭痛の人に前兆症状として起こる
これが一般的な認識です。しかし、この情報は正しいとは言えません。
- 偏頭痛の人が前兆症状として起こりやすい
- 但し、閃輝暗点は偏頭痛以外の人にも起こる
が正解です。
偏頭痛ではない閃輝暗点
当院では直近3年で閃輝暗点の患者様を300人以上診察しています。
そこには明らかに偏頭痛ではない患者様が多数含まれていました。
具体的には、このような方です。
・高齢の方(偏頭痛は高齢者には殆ど見られません)
・偏頭痛薬を飲んでも効かない方
・偏頭痛の診断を受けたことがない方
・頭痛の症状が偏頭痛の症状と合致しない方
偏頭痛は若い女性に多いです。特に20代、30代の女性に多く見られます。
偏頭痛の前兆症状のうち9割は視覚症状です。閃輝暗点はその代表例です。
よって、閃輝暗点=偏頭痛であるなら、20代30代の女性に偏るはずです。
しかし、当院へ来られる患者様は、20代30代の女性が多い訳ではありません。
男性も来られますし、年配の女性の方も来られます。その割合に大きな差異は感じられません。
閃輝暗点の年齢分布
当院では100名以上の閃輝暗点の患者様を対象に、年齢分布を調査しました。
- 60代以上が全体の25.8%
- 女性の20代、30代に偏りはない
これらは「偏頭痛とは限らない」を実証するには十分なデータでしょう。
しかし、「閃輝暗点にはとりあえず偏頭痛薬」という医師が多いのが実情です。
緊張型頭痛が原因か
当院では緊張型頭痛が閃輝暗点を起こす可能性があると考えています。
閃輝暗点が起こる原因として、特定の状況下や特定の食べ物・飲み物を摂取した後に起こるものがあります。
この代表例としてコーヒーが挙げられています。コーヒーには血管の収縮作用があります。
特定の状況下ではほっとすると起こる方がいます。状況でいうと血管が拡張します。
閃輝暗点は悪化した血流が治った時に起こる症状です。
つまり、収縮した血管が拡がると起こると言っています。
緊張型頭痛は血管の収縮によって起こります。
ですから、それによる閃輝暗点が存在してもおかしくはないのです。
しかし、ほっとするという状況は、血管が拡張する場面です。
よって、収縮⇒拡張だけなく、拡張⇒収縮でも閃輝暗点が起こる可能性があるという事です。
疲労性閃輝暗点
日々、閃輝暗点の患者様を沢山見る中で感じる事があります。
それは、閃輝暗点は疲労やストレスで起こりやすくなるという説です。
強い疲労やストレスがあると、異常な症状が出る事があります。
例えば、まぶたや目の下、指先が痙攣する等。また、疲れすぎると頭痛が起こる等。
これらと同様に、身体に強い負荷が掛かった際に閃輝暗点が起こりやすいという仮説です。
事実、身体に負荷が掛かっている時に、閃輝暗点が出る方がいます。
最も顕著なのは、閃輝暗点の頻度が高くなり心配で来られる方です。
強い疲労感・ストレスを抱えている確率が高いのです。
不安を解消するためには?
序盤でお話しましたが、閃輝暗点は非常に不安になる症状です。
この不安を解消するには、頭の病気ではないかの確認が必要です。
閃輝暗点が脳疾患起因による確率は、データが存在しませんが、
当院の数値で計算すると、閃輝暗点のうち1~2%は頭の病気によるものです。
詳細:閃輝暗点が脳梗塞である確率
よって、MRIかCTのある脳神経外科・脳神経内科クリニックを受診する事が最適解です。
ですが、そのようなクリニックを受診した後に、当院へ来られる患者様がおられます。
その理由は「検査はしてもらったが、本当に大丈夫なのか腑に落ちなかった。」です。
世の中には、閃輝暗点に対して「飲んでも飲まなくてもいいです。」と言いながら偏頭痛薬を処方する先生が沢山います。
「え、私は偏頭痛ではないが、、」と思いながらも処方されて「やっぱり効きませんでした。」
こんなケースは日常茶飯事です。納得できないのは容易に想像できるでしょう。
閃輝暗点で当院が選ばれる理由
前述のように「自分自身で納得して、不安を解消したい。」と思う方は、遠くからでも当院へ来られる傾向にあります。
また、閃輝暗点の診療経験が豊富というのも要因の一つのようです。年間100人以上診ています。
閃輝暗点なら、とにかく当院へとは言いません。ただ、その不安を安心に変えるお手伝いは出来ると思います。
当院は横浜市青葉区にある脳神経外科・脳神経内科クリニックです。検査機器はMRIです。田園都市線藤が丘駅から徒歩8分の場所にあります。駐車場は無料でお止めいただけます。ご来院の際は、事前にお電話にてご予約ください。
電話番号:045-482-3800
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日
初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。
電話番号:045-482-3800