こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
解熱消炎鎮痛薬のロキソニンの重大な副作用に「急性汎発性発疹性膿疱症」が追加されました。
本日はその内容を要約してお伝えします。
1.発表内容
2022年10月12日 厚生労働省通達
【薬効分類】114 解熱鎮痛消炎剤
【医薬品名】ロキソプロフェンナトリウム水和物(経口剤)
【措置内容】重大な副作用に急性汎発性発疹性膿疱症を追加
急性汎発性発疹性膿疱症の症状
赤くなった皮膚上に小さなブツブツ(小膿疱)が出る、全身がだるい、食欲がない。高熱を併発する。
2.実例
医療用で直近3年度に国内で報告された急性汎発性発疹性膿疱症症例は17例あり、このうち因果関係が否定できないケースは3例であった。
ロキソニンの年間推定使用患者数(延べ数)は4,500 万人~4,900 万人とされている。
ロキソニンの膨大な使用量から考えるとこの副作用の発生確率は非常に低いものと推察される。
3.どう考えるべきか
全ての薬には副作用があり、ロキソニンもその例外ではない。
よって副作用を考慮した上で、有益であると判断されれば使用に至る。
今回の副作用の追加は発生頻度を考慮するに、使用を懸念する程の事例ではないと判断される。
急性汎発性発疹性膿疱症の原因がロキソニンの場合、使用を中止する事で症状は軽快する。服用を中止することで重篤化は防げる。
4.結論
発生症例が少ない
⇒3年間で3件
服用中止で軽快する
⇒高リスクではない
服用を止めるべきか
⇒止める必要はない
※但し急性汎発性発疹性膿疱症が発生しやすいとされる患者の場合は、無論使用中止を考慮する。
記事監修
院長 泉山 仁
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。