「わからない」と答える先生は悪い先生?

こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。


本日は、わからないことを正直に「わからない」と答える先生についてです。
結論から言いますと悪い先生ではありません。※面倒がってわからないを連発している先生は含みません。

まず全ての診療科において長けている先生は存在しません。
医療を学んでいく過程として、医大で基礎を勉強した後は自身の目指したい診療科を専門に勉強していきます。
ですので自分の専門領域以外はスペシャリストではありません。


患者様の立ち場としては何でも診てくれる先生が便利で有難いのは頷けます。
事実地方などで医師が派遣されてくるような場所ですと、一人の医師があらゆる診療科を診察しなければならない場合もあります。
ですが、自分の専門外の領域において医師が「ん?」と思う症状があった場合は、それを専門とする先生を紹介して診てもらうのが定石です。


この状況に出くわした場合「まぁ、大丈夫だよ。」と根拠のない言葉をかけるよりも
「私には判断しかねる。わからない。●●科の先生に診てもらったほうが良い。」と言ってくれる先生の方が本気で患者さんのことを考えています。

何でも診ますと謳うクリニックが悪いと言っているのではありません。
その分野に長けた先生による診療を必要とする場合に患者様に何と伝えるかです。

もちろんこれは状況にもよります。最悪の想定でも大したことにならない事案なら「大丈夫だよ。」でも良いとは思います。
ただ、命に関わるような病気が疑われる場合は、然るべきところに患者様を誘導するのが大切です。


最近拝見した他院様のご意見で、明らかな体調不良症状が複数あるも、何ともないとの診断で先生に半笑いで帰されたという方がおりました。
その患者様が後日他院を受診したところ悪性リンパ種が見つかったそうです。
患者様は「分からないことは素直に認めて、別の専門医を紹介するなどして欲しかった」と仰られていました。
まさしくこれは今回書いている内容の最悪のケースです。


医師も神ではありません。意図しない見落としや誤診はどんな先生にも避けられないことです。
ですが、一つでもそういった事例を減らしていくという意識が大切であり、油断することなく診療を行うことが大事だと改めて実感しました。
当院もより一層に気を引き締め日々の診療にあたっていこうと思う次第です。

 

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。



横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

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