リリカ(プレガバリン)の副作用/めまいやふらつきの症状

リリカは神経の痛みを和らげるお薬です。良いお薬なのですが、副作用でめまい・ふらつきを起こして、当院へ来院される方が後を絶ちません。その周知のために記事にします。

痛み止めについて

一般的に頭痛などで処方されるタイプのお薬は、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる分類です。これにはロキソニンやイブプロフェンなどが該当します。NSAIDsとはステロイドではない炎症に効くお薬です。

これらは炎症止めや解熱を目的として使われますが、リリカは神経が原因の痛みに対して用いられます


リリカの副作用について

リリカの副作用で代表的なものは2つです。

  • 浮動性めまい →体が浮くタイプのめまい
  • 傾眠 →意識障害系の眠気



こちらはリリカを製造している会社のファイザー、エーザイからの引用です。





要約しますと
・高齢者の副作用発現率が高い
・めまいと傾眠の副作用が多い
という事です。

引用元:リリカ®カプセル 適正使用のお願い(PDFファイルです)


 当院とリリカの関係


当院は脳神経外科・脳神経内科ですが、リリカの処方には消極的です。頭にも三叉神経痛など、リリカの適用がある病気はありますが、第一選択肢にはしないケースが多いです。

たしかにリリカは神経系の痛みによく効きます。ただ、広く使われているお薬のため、中にはめまいやふらつきといった副作用が出てくる方がいます。

実は当院へ来られる方の一部はめまいやふらつきの原因がリリカです。これは特にリリカの処方量が多い方に顕著に見られます

リリカ

 

いきなり100%リリカが原因とは決め付けず、あくまで可能性として考えます。ただ、脳に異常がなかった場合は、消去法でリリカを減らす選択肢を取っていただく事があります。その結果、減薬でめまいやふらつきが改善する方は多いです。

特にご年配の方は気に掛けるケースです。足腰の弱りに伴い、めまい・ふらつきからの転倒率が高く、致命傷になる事があるからです。

これは脳神経外科の医師ならよく知っている事です。ただ、肝心のリリカを処方している先生が、リリカの副作用を軽視して多量に出している事があります。患者様がめまいやふらつきを訴えた際に、リリカの副作用を疑うのではなく、頭の病気を先に疑う場合もあります。

 リリカの副作用の認識

前述の認識のギャップが、ご本人を困らせているケースが度々見受けられます。ご本人は脳の病気からもしれないと思って当院へ来られますが、結果的に「リリカが原因かもしれない」とお伝えすると、予想外の表情をされるのです。

これは扱う側の問題です。少なくとも多量に飲んでもらうなら、説明とケアが必要です。例えば「このような副作用が出る事があるので、出た場合は私に伝えてください。」といった内容です。特によくある副作用には注意して処方しないといけません

リリカとどう付き合うべきか

合わない薬は止めるがベストですが、リリカを飲まれている方はそれなりの痛みがあり、良い代替薬がない場合はリリカを必要とします。このケースでは減薬で対応するしかないのですが、その塩梅は患者様との相談です。患者様の生活の質、いわゆるQOLにも大きく関係してきますので重要です。

ただ、私が勝手に減薬を指示する事ができません。歯痒いですがリリカを処方しているのが私でない以上、仕方がありません。その先生が何らかの根拠を以って処方量を決めているため、それを知らない第三者である私が勝手に変更する事は道義に反するのです。

ですから、基本的には「処方してもらっている先生と相談してみてください」とお伝えします。これは患者様と先生との関係性も考えての事です。

リリカでめまい・ふらつきが出た場合

当院はMRIがある脳神経外科です。もし、めまいやふらつきで脳の病気が心配な場合は、当院でもお役に立てます。お気軽にお電話よりご連絡ください。 電話番号:045-482-3800

リリカを処方されている先生へ直接相談されるのも良いと思いますが、ご本人の年齢や既往など、おかれた状況は千差万別です。特にこれまで一度も頭の検査をした事がない、経験はあるが相当昔という方は、脳の中を調べてみるという選択肢もお考えになってみてください。


MRI

幸いにも日本はMRIが非常に多く普及している国です。クリニックレベルでも設置があり、検査へのハードルが低いです。わざわざ大きな病院へ行かなくても検査が受けられますし、病院と比べてクリニックの機器が性能で劣っていることもないです。

また、値段も世界的に見ると安い方です。値段は場所と機器の性能で変動しますが、例えば当院の場合ですとMRI検査は6,000円程度です。※3割負担の方のお支払い費用が6,000円です

それに初診料や他の検査が付随したりしますので、総額はもう少し上がります。当院の場合ですと8,000円~11,000円程度です。

 

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分

診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

 
電話番号:045-482-3800

TOPへ