閃輝暗点は、特定の状況下で発生する方がいらっしゃいます。
その状況とは、場面であったり、食べ物や飲み物です。例えば、緊張が解けた時に閃輝暗点が起こる方、ナッツを食べた時に閃輝暗点が起こる方がいます。タバコやアルコールでも起こる方がいます。
この中には、コーヒーを飲むと閃輝暗点が起こる方もいらっしゃいます。その理由として最も考えられるのが、カフェインによる血管収縮作用です。閃輝暗点は脳血管の血流悪化により発生します。厳密にはその血流の悪化が解消された時に、視界に症状として現れます。
ただ、実際にはそこまで簡単なメカニズムではありません。コーヒーで閃輝暗点が起こる方が、エナジードリンクを飲んでも何も起こらないという事はよくあります。カフェインを接種するという点では共通していますが、コーヒーで起こる方の多くは、エナジードリンクでは起こらないと仰るのです。
当院は非常に多くの閃輝暗点の方を診ています。直近2年間で200名以上診ていますが、この数は脳神経外科では日本随一かと思います。その中には、やはり特定の状況下で閃輝暗点が起こる方が含まれています。割合としては多くありませんが、散発的に見受けられる印象です。これまでの経験上、それは体質という他になく、原因の接種頻度を下げていただくしかありません。
例えば、これが水であるなら生きていく上で欠かせませんが、コーヒーは飲まなくても生きていけます。現実的に患者様はどうされるかというと、タバコやアルコール、コーヒーなど、依存傾向にあるものは止めないケースが多いです。頻度は減らすが、絶つことはしないが一番多いです。
当院でMRI検査を行い脳疾患ではない事がハッキリしているため、重大な病気ではないという安心感があるためです。あとはご本人の心持ち次第です。どこまで閃輝暗点と付き合っていくかです。車を運転する時はタバコやコーヒーを控えるなど、局所的な対策は可能ですから、閃輝暗点が起きても大丈夫な状況で接種していただく形となります。
人には慣れがありますから、閃輝暗点も繰り返すうちに慣れてきます。ですが、視界の一部が正しく見えていない事実は変わらないので、発生中の歩行は望ましくありませんし、自転車や車の運転は極めて危険です。
最後にコーヒーで起こる方へ、解決に繋がりうるヒントを書いて締めます。
コーヒー起因は、下記の方法で閃輝暗点の発生率が下がる場合があります。
- 薄めにして飲む
- 飲む量を減らす
- ゆっくり飲む
誰にでも必ず効く方法ではありませんが、これで改善する方もいらっしゃいます。また、コーヒーとチョコレートの同時接種は、両方とも条件になり得るので、別々のタイミングで取るようにしてください。
記事監修

院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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