認知症とは?初期症状,種類,何科,物忘れとの違い

認知症とは、脳の衰えにより記憶力や判断力、思考力の低下が起こる病気です。認知症の原因は、脳細胞の損傷や活動低下とされています。アルツハイマー型認知症の場合は、アミロイドベータが原因と言われています。

認知症は進行すると生活に支障をきたします。進行する前の段階で気付いてあげる事が大切です。

認知症の初期症状


以下の機能に低下が見られます
  • 記憶力
    最近の出来事が覚えにくい。同じことを何度も聞く。いわゆる記憶障害。
  • 理解力
    複雑なことを理解できない。適切な判断が難しくなる。
  • 集中力
    以前できていたことができなくなる。ミスや勘違いが増える。
  • 空間認識力
    道に迷う。物の位置関係がわからなる。
  • 性格の変化
    性格が変わる。不安になったり、イライラしやすくなる。

これらの症状は、加齢によるものと区別が付きにいです。そのため、本人や家族がすぐに気付かないケースがあります。

認知症の有病率

認知症は必ずしも皆がなる病気ではありません。80歳の段階で認知症なのは5人に1人です。ですが、高齢になると加速度的に発症率が上がる傾向にあります。

  男性 女性
65歳~69歳 2.8% 3.8%
70歳~74歳 4.9% 3.9%
75歳~79歳 11.7% 14.4%
80歳~84歳 16.8% 24.2%
85歳~89歳 35.0% 43.9%
90歳~94歳 49.0% 65.1%
95歳~ 50.6% 83.7%

引用先:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所

認知症の種類


アルツハイマー型認知症

最も患者数の多い認知症。進行型認知症だが、進行ペースが遅く発見が遅れやすい。記憶障害が最たる症状で、新しい事を覚えられない何度も同じ事を聞くといった特徴がある。

血管性認知症
脳血管障害によって生じる認知症。脳梗塞や脳出血など、頭の病気の後遺症による影響。症状は歩行障害や、尿失禁、運動麻痺など、遂行機能障害が目立つ。障害の出るもの、出ないものに波があり、「まだら認知症」と呼ばれる状態が多く見られる。

レビー小体型認知症
アルツハイマー型に続いて、患者数の多い認知症。進行性認知症とパーキンソン症状を併発する。普通の状態になったかと思えば、急にぼーっとしだす等、その都度都度で状況が変化しがち。叫ぶ、暴れるなどの異常行動が起こる、レム睡眠行動障害も見られる。

前頭側頭型認知症
神経変性による認知症。人格や行動の変化、言語機能への影響が特徴。記憶や日常動作への影響は出にくい傾向にある。抑制が効かなくなり、万引きや信号無視、急に立ち去る等の行動が見られる。また同じ事を繰り返す常同行動も特徴。

認知症と物忘れの違い

加齢による物忘れは認知症ではありません。しかし、認知症と誤解される事がありますので、その違いを説明します。

  加齢によるもの 認知症によるもの
体験した記憶 一部を忘れる 全てを忘れる
ヒントと与えてもらうと 思い出す 思い出せない
新しい出来事 記憶できる 記憶できない
時間や場所 見当が付く 見当が付かない
日常生活に 支障が小さい 支障が大きい
物忘れの自覚が ある ない
     

断片的な記憶の欠落と、完全な記憶の欠落という違いあります。また、新しく記憶に刻む事が出来ず、生活への支障が大きい事が、認知症の特徴です。

認知症は何科へ行く?

代表的な候補は以下の通りです。
  • 老年科
  • 精神科
  • 神経内科
  • 脳神経外科
  • 脳神経内科
認知症での受診は継続的に診療してもらえるかが重要です。その理由は以下の二つです。
  • 長期的に付き合っていく病気であるから
  • 継続的な診療が出来る病院が限られているから
 

例えば、当院は脳神経外科・脳神経内科を標榜しています。しかし、認知症の方向きではありません。

認知症の診療経験に乏しい事や、主な患者様は一般的な頭痛の方である事が理由です。そして、認知症の治療において、自信を持ってお送りできる紹介先が少ない事も大きいです。また、再診枠が既存の患者様で埋まる状況が続いており、新たな方の受け入れが大変難しい状況です。


上記に挙げた診療科でも、当院と同様に認知症の継続診療が難しいクリニックは沢山あります。ですので、受診前に下記の条件を中心に、よく確認してから行かれる事を推奨します。下記の条件を全て満たしている事が望ましいです。
認知症の患者様向きのクリニック
  • 認知症外来を掲げている
  • 認知症の診療経験が豊富
  • 継続的な受診を歓迎してくれる
近隣で認知症の親御様を抱えておられる方に、どこへ行かれているか聞いてみるのも良いでしょう。

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。

 
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電話番号:045-482-3800

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