急性硬膜下血腫とは?
急性硬膜下血腫は頭部への強い衝撃で、血腫(血の塊)が出来る病気です。脳を包む硬膜と脳の間に出血が起こり、この血腫が脳を圧迫します。その結果、様々な神経症状を引き起こします。出血の原因は脳表の動脈や静脈の損傷です。また、脳挫傷に伴う出血が起こることもあります。
急性硬膜下血腫の原因
頭部外傷、交通事故、転倒、スポーツ中の衝突などが主な原因です。特に大きな力でぶつかった場合は極めて危険です。急性硬膜下血腫の死亡率は50%です。交通事故で亡くなる事例は、よく急性硬膜下血腫が原因となっています。間違っても様子見せず、すぐに受診し検査を行ってください。
急性硬膜下血腫の症状
頭痛:激しい頭痛が持続することがあります。
意識障害:意識を失ったり、ぼーっとしたりすることがあります。
吐き気・嘔吐:脳圧が上昇することで、吐き気や嘔吐が起こることがあります。
神経症状
半身麻痺:身体の一側に麻痺が起こることがあります。
感覚異常:感覚が鈍くなったり、痺れを感じたりすることがあります。
言語障害:話しづらくなったり、言葉が理解できなくなったりすることがあります。
瞳孔不同:片方の瞳孔がもう片方よりも大きくなることがあります。
その他の症状
けいれん:意識を失い、体が痙攣することがあります。
眠気:いつも以上に眠気が強く感じられます。
急性硬膜下血腫の検査・診断方法
①.CT
②.MRI
急性硬膜下血腫疑いの場合、第一推奨はCTです。脳の検査は総合的にはMRI推奨が一般論ですが、急性期の出血性病変においてはCTに軍配が上がります。これは緊急を要す場合に検査時間が短い事がメリットとなる事、出血直後により早く写りやすいという事が理由です。
急性硬膜下血腫の症例画像
※調子の悪いコピー機で刷った画像のため画像が荒く、横線が入っています。
急性硬膜下血腫と脳挫傷が認められます。赤丸内に挫傷と血腫が確認できます。尚、当院の撮影機器はMRIです。CTの設置はありません。
急性硬膜下血腫の治療
手術
血腫を手術で除去することが一般的です。
薬物療法
脳圧を下げる薬や、けいれんを抑える薬などが使用されます。
予防
ヘルメットの着用:自転車に乗るときやバイクに乗るときは、必ずヘルメットを着用しましょう。
シートベルトの着用:自動車に乗るときは、必ずシートベルトを着用しましょう。
安全運転:交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。
危険な場所の回避:段差や滑りやすい場所など、転倒する可能性のある場所を避けましょう。
急性硬膜下血腫の補足
硬膜下血腫には急性タイプと慢性タイプが存在します。慢性タイプは「慢性硬膜下血腫」という名称です。慢性タイプは後から発生するもので、受傷後2週間~3か月後に自覚症状となって現れます。詳しくは慢性硬膜下血腫とは?をご覧ください。
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日
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電話番号:045-482-3800