頭部外傷の実例(急性硬膜下血腫、脳挫傷)/診療症例19

 

患者様の状況

  • 10代男性の方
  • 野球の硬球が側頭部に直撃
  • 直後より頭痛と吐き気が発生
  • 翌日も症状が続いたため受診

MRI検査を実施した結果、急性硬膜下血腫脳挫傷が認められました。赤丸内に挫傷と血腫が確認できます。

※調子の悪いコピー機で印刷した画像をスマホで撮りました。そのため画像が荒く、横線が入っています。


今回の場合は保険を掛ける価値があると判断し、新都市脳神経外科病院様へ紹介を行いました。3DCT等、他の検査も実施していただき、大丈夫な事を明確にする為です。

そこで別の問題が見つからなければ、入院の必要はなく、当院での経過観察が可能な状況でした。新都市様からの結果報告では骨も含めて問題なしとの事でした。ご本人も当院での継続診療を希望しておりましたので、うちで経過観察していく事になりました。

今回発症した病気について

急性硬膜下血腫

頭をぶつけた際に起こります。脳の表面に出血が起こり、血溜まりができます。これが脳を圧迫し頭痛や嘔吐、意識障害が発生します。

実は急性硬膜下血腫は死亡率50%の危険な病気です。亡くなる場合の多くは高エネルギー外傷と呼ばれる、強い力による怪我が多いです。ただ、衝撃の強弱というのは主観もありますので、やはりクリニックや病院ですぐに検査する事が大切です。安直な一旦様子見の決断は命取りになる可能性があります。

また、硬膜下血腫の主流は慢性硬膜下血腫です。急性硬膜下血腫が頭部外傷直後に起こるのに対し、慢性硬膜下血腫は1~2カ月後に起こります。慢性硬膜下血腫の詳しい解説はこちらをご覧ください。

脳挫傷

頭をぶつけたり、激しい揺れで起こります。脳が損傷した状態です。

症状は頭痛やめまい、吐き気等です。部位によっては運動麻痺や感覚障害、言葉が出ない等の症状も出ます。これらの症状は遅れて出ることもあります。脳挫傷は軽度であれば回復の見込みも高いですが、重度の場合は死に至る可能性があります。

また、脳挫傷はぶつけた部位の反対側に起こる事もあります。脳挫傷は脳が激しい揺れを起こした事に起因します。そのため、直撃部位が脳挫傷の箇所と一致するとは限りません

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

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当日のご予約も可能です。
 
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