怖い頭痛、怖くない頭痛とは?どう違うの?

怖い頭痛と怖くない頭痛

頭痛には、大きく分けて二つあります。「怖い頭痛」と「怖くない頭痛」です。

怖い頭痛 ⇒ 命に関わる可能性がある頭痛です。すぐに医療機関を受診する必要があります。

怖い頭痛の代表的な症状

  • 強烈に痛む頭痛
  • 吐き気や嘔吐を伴う頭痛
  • 意識障害を伴う頭痛
  • 首の後ろが痛む頭痛

怖い頭痛の主な原因

  • くも膜下出血
  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 髄膜炎
  • 脳腫瘍
  • 頭部外傷
  • 椎骨動脈解離


怖くない頭痛 ⇒ 命に関わる可能性が低い頭痛
です。

怖くない頭痛の代表的な症状

  • ズキズキと痛む頭痛
  • 締め付けられるような頭痛
  • 痛みが鈍い頭痛
  • 天候や気圧の変化で起こる頭痛
  • ストレスで起こる頭痛
  • 肩こりから起こる頭痛

怖くない頭痛の主な原因

  • 緊張型頭痛
  • 偏頭痛(片頭痛)
  • 群発頭痛
  • 薬物乱用頭痛
  • 三叉神経痛
  • 後頭神経痛


怖い頭痛の解説

くも膜下出血

 

くも膜下出血は脳の血管が破裂し、くも膜の下に血が溜まる病気です。脳には酸素と栄養素を届ける太い血管が沢山あります。この血管が破れて出血を起こすと、脳の表面を覆うくも膜の下に血液が流れ込みます。くも膜下出血は約1/3の方が亡くなる危険な病気です。症状が現れたらすぐに救急受診してください。

症状はとにかく激烈な頭痛が起こります。救急車を呼ぶレベルの経験したことのない頭痛です。また、前兆症状として首の痛み、吐き気・嘔吐、意識低下等が起こることもあります。


脳梗塞

脳梗塞とは脳の血管が詰まり、脳細胞が死滅してしまう状態です。死滅した脳細胞は回復しないため、その部分が担っていた感覚や機能は失われます。死亡率は1割で、後遺症発症や再発が多い病気です。詰まった部分の事は血栓と呼びます。実は脳梗塞は頭痛が起こりにくいです。

症状は身体の片側に異常が出るケースが多く、力が入らない・痺れる・感覚が鈍くなる等の症状がよく出ます。また、言葉がうまく出なくなったり・呂律が回らない、ふらつく、めまいがする等の異常も起こります。


脳出血

脳出血とは脳の血管が破れて、出血を起こしている状態です。ほとんどは高血圧性脳出血です。高血圧や動脈硬化による血管の変化の関与があって発症するとされています。興奮、過労、入浴、排便時のいきみなどをきっかけに発症することがあります。後遺症は半身麻痺や言語障害などが残りやすい傾向があります。

症状は頭痛、左右どちらかの手足に起こる麻痺、嘔吐、意識混濁等が起こります。頭痛は急に起こるケースが多いです。


椎骨動脈解離

椎骨動脈解離とは首を通る血管の膜が裂けたり、剥がれてしまう病気です。血管が裂けることにより偽腔と呼ばれる、本来の血液の通り道とは違った道ができます。偽腔は脳梗塞やくも膜下出血のリスクを著しく高めます。危険な病気の一歩手前の状態ですが、残念ながら現在の医療水準では見逃しが多発しています。

症状は後頭部の頭痛、首(うなじ)の痛みです。左右片側だけの痛みである事が特徴です。痛みは通常の頭痛よりも強い傾向にあり、一週間以上強い頭痛が続きます。

怖くない頭痛の解説

①.緊張型頭痛

最も一般的な頭痛です。全頭痛のうち約70~90%を占めます。
症状:圧迫感や締め付けられるような痛み。じんわりとした痛み
痛み:軽度から中等度
原因:ストレス、疲労、肩や首のこり、目の疲れ、姿勢の悪さ、飲酒、喫煙など

②.片頭痛(偏頭痛)

全頭痛のうち約10%を占めます。若い女性に多いことが特徴です。
症状:ズキンズキンとした痛み、頭の片側の痛み、動くと悪化する、吐き気を伴うことがある
痛み:中等度以上 生活に支障が出るほどの痛みがでることも
原因:光、音、におい、気圧の変動、体質、ストレス、疲労、特定の食べ物飲み物

③.群発頭痛

全頭痛のうち1%以下の稀な頭痛です。
症状:片側の眼の奥の強い痛み、30分~1時間程度の短時間、連日続く
痛み:高度
原因:不明瞭、遺伝的要因や脳の血管が拡張しやすい体質という説

④.薬物乱用頭痛

全頭痛のうち約1%~2%を占めます。
症状:頭痛が起こりやすくなる、頭痛薬が効きにくくなる
痛み:軽度~中等度
原因:頭痛薬の頻回な使用(1月に15回以上、または月10回以上が2カ月以上に渡るなど)

頭痛がある方へ

頭痛でお悩みの方は、まずは頭痛の種類を判断することが大切です。ご自身の頭痛が怖い頭痛なのか怖くない頭痛なのかわからない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。頭痛は種類によって治療法も異なります。怖くない頭痛の場合は、生活習慣の改善や市販の頭痛薬で改善できる場合もあります。

尚、頭痛で受診する際に最も適切なのは、MRIかCTのある、脳神経外科・脳神経内科クリニックです。身体に明らかな異常があり緊急性が高いものは救急車を呼んでください。それ以外の場合はクリニックで大丈夫です。MRIやCTは脳の中を確認できる検査機器ですが、大学病院とクリニックにおいて検査機器レベルの違いはありません。むしろ、クリニックの方が新しい機械である事もままあります。

お役立ちコラム

脳神経外科はいくらするのか?高いのか?費用,総額

MRIとCTの違いとは?脳の検査はどっちが良い?

受診先は最寄りの脳神経外科で良いのか?

緊急性がある頭痛か知りたい方へ

こちらの動画をご覧ください。

 

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。

 
混雑時はお電話に出られない場合があります。 お手数ですが、数分後にお掛け直しください。

電話番号:045-482-3800


TOPへ