【調査結果】5人に1人が椎骨動脈解離でした

こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。

本日は椎骨動脈解離疑いの有病率について少しお話します。

調査対象
・当院に椎骨動脈解離疑いで来院された患者様、直近50人
・内訳:男性29人、女性21人

調査結果
・50人中10人に椎骨動脈解離の所見を認めた(有病率20%

調査背景
・当院には椎骨動脈解離疑いの患者様が多く集まるため、データ分析に適している

以下は有病者(10人)のデータ

内訳
男性:6人 40代3人、50代1人、70代2人
女性:4人 40代1人、50代2人、60代1人

症状
左後頭部痛または右後頭部痛 10人
左頸部痛または右頸部痛 3人
めまい 2人
複視 1人
吐き気 1人
耳の痺れ 1人

訴え
痛みで目が覚める 4人
痛み止めが効かない 3人

他院経由
2人 ※いずれも他院で見つからず当院を受診

全員が頭痛を訴えています。また頸部痛の人数が少ないです。これは当院が脳神経外科であることに起因するでしょう。首の痛みのみで脳神経外科を受診する患者様はいないため、このような分布が自然と考えます。

有病者の多くは、今までであれば見つからなかった潜在的な層です。事実、見つかる方のうち5~6人に1人は他院で異常なしと言われてから当院で発見に至ります。いわゆる患者様の顕在化です。有病率20%は驚愕の数値ですが、それだけ患者様が存在しているという事です。

この病気は見つける事が肝です。なぜなら、命の危険に繋がるからです。椎骨動脈解離が起こると、脳梗塞やくも膜下出血の発症率が大幅に上がります。これらの発症率を下げる治療法は存在しますが、そのためには椎骨動脈解離を見つける必要があります。見つけなければ、危険な状況に気が付かないからです。

だからこそ、当院だけで患者様が多く見つかる状況ではいけないのです。一人でも多く、この病気の患者様が見つかる医療環境となる事を願ってやみません。

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記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

 
 
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

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